還空論
HP「SECRET GAME」の付属ブログです。日記や小説。
ただしここでの小説には、あまり計画性がありません; HPの小説の番外編もあります。
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戦争を終わらせることは、レシルにとって簡単だった。
絶大なる攻撃力を誇る魔族の王だ。
戦場に現れ、その力を見せつけてやるだけで良かった。
そして宣言したのだ。
自分はロン・コハクの味方である、と。
戦場から帰って来た人々を貧しくなった国庫故に質素ではあるが、怪我の手当てや食料の支給などで迎えた。
「戦士長殿、それは本当ですか……?」
戦場から帰って来たばかりのはずの男が翡月と月辰の前に跪いていた。翡月が信じられないというような瞳で彼を問い詰める。
「事実でございます。翡月様と月辰様、そして国民になんとお詫びすれば良いのか…!」
「本当……なんですね…?」
「私の不手際でございます、いかに厳重な罰でも受ける覚悟です! 責任を取って自害しようかとも思いましたが、私は全隊を任された身、無事に兵たちをこの天覧へと送り届けるまではと…!!」
「自害など……貴方は十分に良くしてくれました。責任を感じる必要などございません。無事に帰って来てくれてありがとう。よく休んで下さいね。民へは――私が発表致します」
国王が暗殺された。
暗殺したのは誰か分からない――ということになっている。
十分に味方に固められた場所にいた国王が暗殺されたのだ、敵国の仕業でないことを翡月はなんとなく分かっていた。
そして戦士団が、暗殺者を突き止めることをしなかったことも。
翡月は自室で窓の外を眺めていた。わずかながら城下町が見える。
そして広大な土地。見える範囲は、ロン・コハクの国土のほんの一部だけなのだ。
一体どれ程の人間が、この国にいるのだろう。
そして――
「どれ程の人間が、父の死を悲しむのでしょうか……」
「私は知っているよ」
翡月は振り向いた。そこにはレシルが立っていて、翡月はそっと微笑みかける。
「お帰りなさい、レシル様」
「…………ただ今」
「知っている、とは?」
「貴女の父を殺した人間が誰かを知っています」
「そうですか」
「聞かないんですか?」
「聞きたくありません」
翡月は視線を落とす。
「父は恨まれていました。憎まれるほどのことをしました。父は守るべき民を怒らせ、その民に殺されたのでしょう」
「…………」
レシルは黙っていた。その通りであったが、“聞きたくない”と彼女が言った以上、肯定することも否定することも控えた。
翡月の目から涙が零れる。
「戦争が……終わったら、父も……変わると……いいえ、父が変わるように、私は……どんなことでも、惜しまずやるつもりでした……。父が民に……憎まれたままでいる…のは…やはり……辛くて……」
せっかく戦争が、終わったのに。
その父は、帰っては来なかった。
「私は……午後になったら、広場で、大勢の民の前で、父の死を発表しなければなりません……」
レシルは思わず翡月を抱きしめる。
翡月はぎゅっとレシルの服を掴んだ。
「民がどんな……思いでそれを聞くのか……どんな……反応を…するのか、分かって…います……!」
翡月は大きく息を吐いて呼吸を整える。
「すみません。取り乱してしまいました。――レシル様、本当にありがとうございます。貴方が城に来て下さって本当に良かった。でも何故私たちの味方になって協力して下さったんですか?」
「欲しい“答”を探していたんです」
どんな問いに対する答なのかは、翡月は訊かなかった。
レシルは話を続ける。
「それは私の中で求めていたはずなのに、どこか否定していたものでもありました」
王は民のためにあるのではなく、ただ殺戮だけをすればいいのだと。
自分自身に、言い聞かせていた。それが魔界で求められる王の姿だったからだ。
「それでも貴女を見て、決心することができたんです」
一目惚れだ、とレシルは思う。
城の中で出会った瞬間、自分の求める姿であった彼女に、惹かれて止まなかったのだ。
今だって、民のために、自分の心を押し殺そうとしている。
父が死んで悲しいという心。
おそらくこの国の民は、そんな言葉を望まないから。
「自分の身を削っても、民を守りたい。民に尽くしたい。――私もそんな王になりたい」
「レシル様……?」
「でもそんな王には、支えてくれる者がないと厳しいなぁ」
そして願わくば。
「翡月。私は君の支えになりたいよ」
絶大なる攻撃力を誇る魔族の王だ。
戦場に現れ、その力を見せつけてやるだけで良かった。
そして宣言したのだ。
自分はロン・コハクの味方である、と。
戦場から帰って来た人々を貧しくなった国庫故に質素ではあるが、怪我の手当てや食料の支給などで迎えた。
「戦士長殿、それは本当ですか……?」
戦場から帰って来たばかりのはずの男が翡月と月辰の前に跪いていた。翡月が信じられないというような瞳で彼を問い詰める。
「事実でございます。翡月様と月辰様、そして国民になんとお詫びすれば良いのか…!」
「本当……なんですね…?」
「私の不手際でございます、いかに厳重な罰でも受ける覚悟です! 責任を取って自害しようかとも思いましたが、私は全隊を任された身、無事に兵たちをこの天覧へと送り届けるまではと…!!」
「自害など……貴方は十分に良くしてくれました。責任を感じる必要などございません。無事に帰って来てくれてありがとう。よく休んで下さいね。民へは――私が発表致します」
国王が暗殺された。
暗殺したのは誰か分からない――ということになっている。
十分に味方に固められた場所にいた国王が暗殺されたのだ、敵国の仕業でないことを翡月はなんとなく分かっていた。
そして戦士団が、暗殺者を突き止めることをしなかったことも。
翡月は自室で窓の外を眺めていた。わずかながら城下町が見える。
そして広大な土地。見える範囲は、ロン・コハクの国土のほんの一部だけなのだ。
一体どれ程の人間が、この国にいるのだろう。
そして――
「どれ程の人間が、父の死を悲しむのでしょうか……」
「私は知っているよ」
翡月は振り向いた。そこにはレシルが立っていて、翡月はそっと微笑みかける。
「お帰りなさい、レシル様」
「…………ただ今」
「知っている、とは?」
「貴女の父を殺した人間が誰かを知っています」
「そうですか」
「聞かないんですか?」
「聞きたくありません」
翡月は視線を落とす。
「父は恨まれていました。憎まれるほどのことをしました。父は守るべき民を怒らせ、その民に殺されたのでしょう」
「…………」
レシルは黙っていた。その通りであったが、“聞きたくない”と彼女が言った以上、肯定することも否定することも控えた。
翡月の目から涙が零れる。
「戦争が……終わったら、父も……変わると……いいえ、父が変わるように、私は……どんなことでも、惜しまずやるつもりでした……。父が民に……憎まれたままでいる…のは…やはり……辛くて……」
せっかく戦争が、終わったのに。
その父は、帰っては来なかった。
「私は……午後になったら、広場で、大勢の民の前で、父の死を発表しなければなりません……」
レシルは思わず翡月を抱きしめる。
翡月はぎゅっとレシルの服を掴んだ。
「民がどんな……思いでそれを聞くのか……どんな……反応を…するのか、分かって…います……!」
翡月は大きく息を吐いて呼吸を整える。
「すみません。取り乱してしまいました。――レシル様、本当にありがとうございます。貴方が城に来て下さって本当に良かった。でも何故私たちの味方になって協力して下さったんですか?」
「欲しい“答”を探していたんです」
どんな問いに対する答なのかは、翡月は訊かなかった。
レシルは話を続ける。
「それは私の中で求めていたはずなのに、どこか否定していたものでもありました」
王は民のためにあるのではなく、ただ殺戮だけをすればいいのだと。
自分自身に、言い聞かせていた。それが魔界で求められる王の姿だったからだ。
「それでも貴女を見て、決心することができたんです」
一目惚れだ、とレシルは思う。
城の中で出会った瞬間、自分の求める姿であった彼女に、惹かれて止まなかったのだ。
今だって、民のために、自分の心を押し殺そうとしている。
父が死んで悲しいという心。
おそらくこの国の民は、そんな言葉を望まないから。
「自分の身を削っても、民を守りたい。民に尽くしたい。――私もそんな王になりたい」
「レシル様……?」
「でもそんな王には、支えてくれる者がないと厳しいなぁ」
そして願わくば。
「翡月。私は君の支えになりたいよ」
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神風様よりバトンをいただいちゃいました☆
久々です。(私のお友達が少ないからだという事実はスルーしてください)
嬉しいです!笑”
【傾向バトン】
◆貴方が創作するにおいてこういう傾向があるというのを述べてください。
■主人公
主人公……えー。ちょっと待って下さい。
なんでしょう、小説が多すぎてちょっと…。あ、途中から影が薄くなる!笑”
初めはちょっと主人公以外のところのお話でも……だったのに、途中から洒落にならないくらい出てこなくなります。
あれ?
脇役好きなんですよ。脇役を活躍させたくなるんですよ!(ひらきなおり)
■ヒーロー(ヒロイン)
ヒーローなんていたかな、私の小説。敢えて言うなら包容力のある人が多いですかねー。
男キャラ多くて誰をヒーローにしていいのやら。
ヒロインは…ヒロインみたいな男キャラならいっぱい出てきそうなんですけど…。(苦笑)
守ってもらいます、みたいな女の子が多いのかな? いかにもヒロイン。
■ライバル・敵
敵側のキャラとか黒いキャラって、何故か一人称が「僕」になる傾向があるんですよ!
「僕=腹黒」みたいな方程式が私の中にあるみたいなんです^^;
あ、あと敵キャラにはどうしても、そうならざるを得なかったエピソードを付けてしまいがちです。いや、それがない根っからの悪!って感じのもいるにはいるんですが。
ちなみに一番のお気に入り敵キャラは「不業の烙印」の竜庵です。
■女性キャラ
おとなしい感じの守ってもらうタイプか、気の強いタイプのどちらかですね、たぶん。
儚げーな感じのキャラも結構。
■男性キャラ
タイプいろいろ…。なんでしょう、キャラが多すぎて「傾向」がまとめられません><。
何かを溺愛する男性キャラも多いかな。何かって何かは分かりませんが。笑”
■キャラ同士の恋愛
恋愛あまり書かないなー。家族愛とか友愛とか、もはや恋愛というより依存症的な関係は書きますけど。笑”
たまに出てくるとドロドロする傾向にあります☆
もしくはどちらかが死んでしまったり…。
そして恋人ではなくて出てくるとしたら夫婦ですね!
■人間外
人間外……えと……何か出てくるかなー。ペットがたまに。
あ、他はアンドロイドとか。
■幼なじみ
互いを思いやる幼馴染同士になります。いや…もう、異常なくらいに。笑”
基本仲良しな関係ですね。あ、今度仲が悪い幼馴染同士っていうのも書いてみたいなぁ。
■聞いてみたい人
翠様
戸野西佳様
案外難しいものです、自分の小説の分析……^^;
しかし愛する自キャラについて語るのは楽しいですね!
久々です。(私のお友達が少ないからだという事実はスルーしてください)
嬉しいです!笑”
【傾向バトン】
◆貴方が創作するにおいてこういう傾向があるというのを述べてください。
■主人公
主人公……えー。ちょっと待って下さい。
なんでしょう、小説が多すぎてちょっと…。あ、途中から影が薄くなる!笑”
初めはちょっと主人公以外のところのお話でも……だったのに、途中から洒落にならないくらい出てこなくなります。
あれ?
脇役好きなんですよ。脇役を活躍させたくなるんですよ!(ひらきなおり)
■ヒーロー(ヒロイン)
ヒーローなんていたかな、私の小説。敢えて言うなら包容力のある人が多いですかねー。
男キャラ多くて誰をヒーローにしていいのやら。
ヒロインは…ヒロインみたいな男キャラならいっぱい出てきそうなんですけど…。(苦笑)
守ってもらいます、みたいな女の子が多いのかな? いかにもヒロイン。
■ライバル・敵
敵側のキャラとか黒いキャラって、何故か一人称が「僕」になる傾向があるんですよ!
「僕=腹黒」みたいな方程式が私の中にあるみたいなんです^^;
あ、あと敵キャラにはどうしても、そうならざるを得なかったエピソードを付けてしまいがちです。いや、それがない根っからの悪!って感じのもいるにはいるんですが。
ちなみに一番のお気に入り敵キャラは「不業の烙印」の竜庵です。
■女性キャラ
おとなしい感じの守ってもらうタイプか、気の強いタイプのどちらかですね、たぶん。
儚げーな感じのキャラも結構。
■男性キャラ
タイプいろいろ…。なんでしょう、キャラが多すぎて「傾向」がまとめられません><。
何かを溺愛する男性キャラも多いかな。何かって何かは分かりませんが。笑”
■キャラ同士の恋愛
恋愛あまり書かないなー。家族愛とか友愛とか、もはや恋愛というより依存症的な関係は書きますけど。笑”
たまに出てくるとドロドロする傾向にあります☆
もしくはどちらかが死んでしまったり…。
そして恋人ではなくて出てくるとしたら夫婦ですね!
■人間外
人間外……えと……何か出てくるかなー。ペットがたまに。
あ、他はアンドロイドとか。
■幼なじみ
互いを思いやる幼馴染同士になります。いや…もう、異常なくらいに。笑”
基本仲良しな関係ですね。あ、今度仲が悪い幼馴染同士っていうのも書いてみたいなぁ。
■聞いてみたい人
翠様
戸野西佳様
案外難しいものです、自分の小説の分析……^^;
しかし愛する自キャラについて語るのは楽しいですね!
馬車に乗り込んだ翡月の目の前に、レシルは降り立った。
突然現れた人物を不審に思って兵たちが集まってくる。
翡月は静かに馬車を降りた。
「どうしたんですか? レシル様」
レシルは翡月に近づく。止まれ、と誰かが叫んでいる声も無視した。
槍が向けられていることも無視した。
「貴女に会えて良かった」
「え……?」
「城で待っていて下さい。――戦争は、私が止めてみせましょう」
「レシル様……?」
「では、失礼します」
「レシル様!」
レシルは微笑んだ。
「分かっています」
そうして彼は、再び戦場へと赴いた。
「姉上!」
城の前で呆然とする翡月に、月辰が駆け寄る。実は翡月は、月辰が席を外した少しの間に黙って出てきていたのだ。
姉の姿を探していた彼は、目標の人物を見つけて安堵する。
「良かった」
「月辰……」
「どうしたんですか?」
「あの方が、戦争を止めると言って下さったの」
「あの方……?」
月辰の脳裏にレシルの姿が過る。
「まさか彼は、戦場にいる人々を――」
「いいえ」
翡月は確信を持って首を振った。
「“分かっている”と言ってくれました。あの方は、私の望みを汲んでくれたの」
何故そう信じることができるのか分からない。
実際何を“分かっている”のか告げることはなかった。
それでも信じたいと思ったのだ。
去り際の彼の微笑みが、あまりにも優しかったから。
初めに城の中で会ったときとは全く違う。
その時はレシルは、品定めをするように2人を見ていた。
何かを必死に探しているようでもあった。
それが再び現れたとき、晴れ晴れとした表情へと変わっていたのだ。
――探し物が、見つかったんですね。
「行きましょう、月辰。準備をしなければ。凱旋の兵たちをもてなすためのね。レシル様はきっと、戦場にいる人々を殺めることなく、戦争を終わらせて帰って来て下さるから」
突然現れた人物を不審に思って兵たちが集まってくる。
翡月は静かに馬車を降りた。
「どうしたんですか? レシル様」
レシルは翡月に近づく。止まれ、と誰かが叫んでいる声も無視した。
槍が向けられていることも無視した。
「貴女に会えて良かった」
「え……?」
「城で待っていて下さい。――戦争は、私が止めてみせましょう」
「レシル様……?」
「では、失礼します」
「レシル様!」
レシルは微笑んだ。
「分かっています」
そうして彼は、再び戦場へと赴いた。
「姉上!」
城の前で呆然とする翡月に、月辰が駆け寄る。実は翡月は、月辰が席を外した少しの間に黙って出てきていたのだ。
姉の姿を探していた彼は、目標の人物を見つけて安堵する。
「良かった」
「月辰……」
「どうしたんですか?」
「あの方が、戦争を止めると言って下さったの」
「あの方……?」
月辰の脳裏にレシルの姿が過る。
「まさか彼は、戦場にいる人々を――」
「いいえ」
翡月は確信を持って首を振った。
「“分かっている”と言ってくれました。あの方は、私の望みを汲んでくれたの」
何故そう信じることができるのか分からない。
実際何を“分かっている”のか告げることはなかった。
それでも信じたいと思ったのだ。
去り際の彼の微笑みが、あまりにも優しかったから。
初めに城の中で会ったときとは全く違う。
その時はレシルは、品定めをするように2人を見ていた。
何かを必死に探しているようでもあった。
それが再び現れたとき、晴れ晴れとした表情へと変わっていたのだ。
――探し物が、見つかったんですね。
「行きましょう、月辰。準備をしなければ。凱旋の兵たちをもてなすためのね。レシル様はきっと、戦場にいる人々を殺めることなく、戦争を終わらせて帰って来て下さるから」
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