還空論
HP「SECRET GAME」の付属ブログです。日記や小説。
ただしここでの小説には、あまり計画性がありません; HPの小説の番外編もあります。
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待っているから――。
「レイス…先生?」
どうして日本が崩壊してしまったのか、夕華と桜夜に教えましょうか。
たぶん日本という国が豊かで平和だったからね。欲しい物を手に入れて、よりいい物を得ようとする。時には望んではいけないものまで望んでしまう。そんな愚かな望みを、当時の日本は望んでしまったの。
結果、日本は“存在してはいけない国”になってしまったのよ。海を越えた国々――アメリカやイギリスを筆頭に様々な国が日本にやって来た。
日本を世界から排除するために。
昔、夕華の母親、莉華から教わったこと。
莉華は俺たち2人に日本の愚かさを訴えかけていた。
小さい頃にはよく理解できなかった言葉も、今なら分かる気がする。
日本。
日本という国は、一体世界でどれ程の国だったのだろう。
少なくともレイスは、確実に日本に囚われていた。
『あの人を戻すなんて、できないわ…!』
ルカが泣きながら叫んだ。
『ルカ、君がレイスを過去に送ったんだろ…!?』
ミックが彼女の両肩を握り締める。
『送ったわ。でもあの人を戻すことなんてできないの! 過去には機材が揃っていない! 過去には技術が無いんだもの!』
『―――っ』
『戻って来て欲しい! だけどそんなこと無理なの! あの人はあたしを捨てた! あたしのことを“愛してる”と言いながら捨てたの!』
ルカはその場に膝をついた。
『“待ちたければ待てばいい”なんて、無責任な言葉も、人を突き放した様な態度も、少し偉そうな口調も、時折見せてくれる寂しそうな瞳も、全て好きだった…!』
『よく、知ってる』
『ミック、あたしを責めないで』
いちばん後悔しているのは、あたしなの。
泣き続けるほど辛いのは、あたしなの。
もう何年待ち続けても会えないと分かっていても、待っていてしまうのよ。
『責めないで……』
彼がもうこの世にいないことなんて知っているわ。
生き続けられる体じゃなかったことぐらい、十分承知していたわ。
『すまない、ルカ』
ミックは自分の眼前で地についてすすり泣く彼女を抱き起こした。
そしてそっと抱きしめる。
『すまない――』
俺は目を覚ました。
ここは、どこだ?
そう考えつつも見覚えのある場所だということは分かっていた。
ここは確か俺が最初に過去に来た時に目を覚ました公園だ。
頭を整理しよう。
俺は莉華と萩野といたはずだ。
そして急に意識が遠くなって、……気がついたらここにいた。
訳が分からないな、整理するまでもない。
分かっている事実が少なすぎる。
俺はとりあえずここから出ることにした。
公園の外に出て人通りの多いところに出る。
そして覚える微妙な違和感。
俺の知っている街とは、多少なりとも異なっているような気がする。
何がどうなっているんだ?
先程までのあの感覚、あれは、かつて過去に送られた時の感覚と酷似していた。
ではやはり俺は再び時空に乗ったということか?
ってことは、ここはあの時よりも過去なのか、それとも未来なのか。
混乱する中、電気店に並んでいるテレビに映るニュースの音が、俺の耳に届いた。
『速報です』
何故だか俺は、それがとても重要なことのように思え、全神経を集中させてその音に聞き入った。
『ついに、政府は憲法第9条を廃棄することを決定しました』
憲法……第9条……?
過去の記憶がよみがえる。
莉華が話していたこと。
民主政だったはずの日本が、いつの間にか半独裁体制になり、全てを政府が勝手に決め、あっという間に、それは行われたと。
『日本軍を組織し、他国への侵略戦争の準備を整えている模様です』
侵略?
何故そんなことに?
どういうことだ?
今、日本に何が――。
「レイス…先生?」
どうして日本が崩壊してしまったのか、夕華と桜夜に教えましょうか。
たぶん日本という国が豊かで平和だったからね。欲しい物を手に入れて、よりいい物を得ようとする。時には望んではいけないものまで望んでしまう。そんな愚かな望みを、当時の日本は望んでしまったの。
結果、日本は“存在してはいけない国”になってしまったのよ。海を越えた国々――アメリカやイギリスを筆頭に様々な国が日本にやって来た。
日本を世界から排除するために。
昔、夕華の母親、莉華から教わったこと。
莉華は俺たち2人に日本の愚かさを訴えかけていた。
小さい頃にはよく理解できなかった言葉も、今なら分かる気がする。
日本。
日本という国は、一体世界でどれ程の国だったのだろう。
少なくともレイスは、確実に日本に囚われていた。
『あの人を戻すなんて、できないわ…!』
ルカが泣きながら叫んだ。
『ルカ、君がレイスを過去に送ったんだろ…!?』
ミックが彼女の両肩を握り締める。
『送ったわ。でもあの人を戻すことなんてできないの! 過去には機材が揃っていない! 過去には技術が無いんだもの!』
『―――っ』
『戻って来て欲しい! だけどそんなこと無理なの! あの人はあたしを捨てた! あたしのことを“愛してる”と言いながら捨てたの!』
ルカはその場に膝をついた。
『“待ちたければ待てばいい”なんて、無責任な言葉も、人を突き放した様な態度も、少し偉そうな口調も、時折見せてくれる寂しそうな瞳も、全て好きだった…!』
『よく、知ってる』
『ミック、あたしを責めないで』
いちばん後悔しているのは、あたしなの。
泣き続けるほど辛いのは、あたしなの。
もう何年待ち続けても会えないと分かっていても、待っていてしまうのよ。
『責めないで……』
彼がもうこの世にいないことなんて知っているわ。
生き続けられる体じゃなかったことぐらい、十分承知していたわ。
『すまない、ルカ』
ミックは自分の眼前で地についてすすり泣く彼女を抱き起こした。
そしてそっと抱きしめる。
『すまない――』
俺は目を覚ました。
ここは、どこだ?
そう考えつつも見覚えのある場所だということは分かっていた。
ここは確か俺が最初に過去に来た時に目を覚ました公園だ。
頭を整理しよう。
俺は莉華と萩野といたはずだ。
そして急に意識が遠くなって、……気がついたらここにいた。
訳が分からないな、整理するまでもない。
分かっている事実が少なすぎる。
俺はとりあえずここから出ることにした。
公園の外に出て人通りの多いところに出る。
そして覚える微妙な違和感。
俺の知っている街とは、多少なりとも異なっているような気がする。
何がどうなっているんだ?
先程までのあの感覚、あれは、かつて過去に送られた時の感覚と酷似していた。
ではやはり俺は再び時空に乗ったということか?
ってことは、ここはあの時よりも過去なのか、それとも未来なのか。
混乱する中、電気店に並んでいるテレビに映るニュースの音が、俺の耳に届いた。
『速報です』
何故だか俺は、それがとても重要なことのように思え、全神経を集中させてその音に聞き入った。
『ついに、政府は憲法第9条を廃棄することを決定しました』
憲法……第9条……?
過去の記憶がよみがえる。
莉華が話していたこと。
民主政だったはずの日本が、いつの間にか半独裁体制になり、全てを政府が勝手に決め、あっという間に、それは行われたと。
『日本軍を組織し、他国への侵略戦争の準備を整えている模様です』
侵略?
何故そんなことに?
どういうことだ?
今、日本に何が――。
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