還空論
HP「SECRET GAME」の付属ブログです。日記や小説。
ただしここでの小説には、あまり計画性がありません; HPの小説の番外編もあります。
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黄凱庚軍、そして綸加わる紅雪軍。
両軍が対峙したのは、太陽が真南に昇った日中のことだった。
「何をしに来た?」
軍の先頭に庚は立ち、紅雪軍の隊長に問う。
「我々は黄凱を救いに来た」
「冗談を。救いに来るのに何故こうして軍を?」
「この軍は単なる見せかけだ。我々の狙いはただ1人――」
それは、悪帝と称される庚ではなく。
「黄凱皇帝庚殿。貴国の宰相、斎を差し出してもらおうか」
紅雪軍がやって来たという情報は、革命軍にも届いていた。
「紅雪軍が攻め入ったことで皇宮にいる兵の数が減った」
愬はそう詩紀に言った。詩紀は頷く。
「攻め入るなら今しかない」
「どこから行く?」
「裏門から攻めよう」
「だな。表門は城下町につながっているから下手すれば町人を巻き込む」
愬と詩紀の会話に節里が入り込む。
「我々は革命軍だぞ!?」
「……それが?」
「現皇帝を弑し奉り、新王として翏様に立って頂く、それこそが我々の目的! 庚のいない皇宮を攻めたところで何の意味があるっ!」
「黙れ、節里」
愬の冷たい視線が節里を貫く。
「お前本当に革命を成功させたいと思ってんのかよ」
「つくづく貴様は無礼なっ」
「答えろ」
節里はぐっと息を飲み、頷いた。
「だったら口を出すな。俺たちに従え。勝ちたいんならな」
節里はきつく愬を一瞥すると、心配そうに自分たちの様子を伺う翏に礼をする。
「翏様…」
「大丈夫です、彼らに任せておけば大丈夫…」
烟梓の者たちなど所詮は罪人ではないか。
許さない、翏様をたぶらかして…!
そしてあたかも自分たちを中心にことを進める気とはっ!
我々革命軍は半端な気持ちでこうして行動を起こしたわけではない!!
我々には我々の考えがあるのだ、それをあいつらは…!
「節里」
愬たちのもとを離れた節里に革命軍の1人が近づく。
「本当に奴らに従うのか?」
「そうせざるを得ないだろう、翏様はあいつらの手の中だ!」
「それとあの話は本当か? 綸様が生きていた、と」
「らしいな。喜ぶ翏様には悪いが…それを放っておくわけにもいかないだろう」
翏様は兄である綸様に皇帝について貰うべきだと仰っている。
冗談じゃない。
そうすればこの革命は何の意味もない。
我々の目的は善帝と謳われた灯央様の治世の再建。そのためにそのご息女であらせられる翏様に皇帝に即位していただきたいのだ…!
たとえ表向き灯央様の御子であったとしても、事実綸様は庚の子ではないかっ!
「節里!!」
男が1人、駆け足でやって来た。彼は後宮に兵士として潜入していたいわばスパイだ。
「どうした? つけられてはないだろうな」
「それは、大丈夫だ、それよりも聞いてくれ…!」
「紅雪軍が来たことなら既に」
「違う!」
男は息を整え、言う。
「綸様らしき人物が紅雪軍にいたと」
「――それは本当か…? では紅雪を連れて来たのは綸様なのか!?」
「分からない。だが確かに、昔の庚にそっくりな男がいたことを偵察隊が確認している! 綸様は生きていて、ここに戻って来たんだっ」
節里は大きく息を吐き、一呼吸置いて言う。
「国境に人を送れ」
何としてでも、綸様には亡き者となっていただく!
両軍が対峙したのは、太陽が真南に昇った日中のことだった。
「何をしに来た?」
軍の先頭に庚は立ち、紅雪軍の隊長に問う。
「我々は黄凱を救いに来た」
「冗談を。救いに来るのに何故こうして軍を?」
「この軍は単なる見せかけだ。我々の狙いはただ1人――」
それは、悪帝と称される庚ではなく。
「黄凱皇帝庚殿。貴国の宰相、斎を差し出してもらおうか」
紅雪軍がやって来たという情報は、革命軍にも届いていた。
「紅雪軍が攻め入ったことで皇宮にいる兵の数が減った」
愬はそう詩紀に言った。詩紀は頷く。
「攻め入るなら今しかない」
「どこから行く?」
「裏門から攻めよう」
「だな。表門は城下町につながっているから下手すれば町人を巻き込む」
愬と詩紀の会話に節里が入り込む。
「我々は革命軍だぞ!?」
「……それが?」
「現皇帝を弑し奉り、新王として翏様に立って頂く、それこそが我々の目的! 庚のいない皇宮を攻めたところで何の意味があるっ!」
「黙れ、節里」
愬の冷たい視線が節里を貫く。
「お前本当に革命を成功させたいと思ってんのかよ」
「つくづく貴様は無礼なっ」
「答えろ」
節里はぐっと息を飲み、頷いた。
「だったら口を出すな。俺たちに従え。勝ちたいんならな」
節里はきつく愬を一瞥すると、心配そうに自分たちの様子を伺う翏に礼をする。
「翏様…」
「大丈夫です、彼らに任せておけば大丈夫…」
烟梓の者たちなど所詮は罪人ではないか。
許さない、翏様をたぶらかして…!
そしてあたかも自分たちを中心にことを進める気とはっ!
我々革命軍は半端な気持ちでこうして行動を起こしたわけではない!!
我々には我々の考えがあるのだ、それをあいつらは…!
「節里」
愬たちのもとを離れた節里に革命軍の1人が近づく。
「本当に奴らに従うのか?」
「そうせざるを得ないだろう、翏様はあいつらの手の中だ!」
「それとあの話は本当か? 綸様が生きていた、と」
「らしいな。喜ぶ翏様には悪いが…それを放っておくわけにもいかないだろう」
翏様は兄である綸様に皇帝について貰うべきだと仰っている。
冗談じゃない。
そうすればこの革命は何の意味もない。
我々の目的は善帝と謳われた灯央様の治世の再建。そのためにそのご息女であらせられる翏様に皇帝に即位していただきたいのだ…!
たとえ表向き灯央様の御子であったとしても、事実綸様は庚の子ではないかっ!
「節里!!」
男が1人、駆け足でやって来た。彼は後宮に兵士として潜入していたいわばスパイだ。
「どうした? つけられてはないだろうな」
「それは、大丈夫だ、それよりも聞いてくれ…!」
「紅雪軍が来たことなら既に」
「違う!」
男は息を整え、言う。
「綸様らしき人物が紅雪軍にいたと」
「――それは本当か…? では紅雪を連れて来たのは綸様なのか!?」
「分からない。だが確かに、昔の庚にそっくりな男がいたことを偵察隊が確認している! 綸様は生きていて、ここに戻って来たんだっ」
節里は大きく息を吐き、一呼吸置いて言う。
「国境に人を送れ」
何としてでも、綸様には亡き者となっていただく!
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