還空論
HP「SECRET GAME」の付属ブログです。日記や小説。
ただしここでの小説には、あまり計画性がありません; HPの小説の番外編もあります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
リハビリ中です。不業の烙印の未来編で短編を。
珍しいツーショットにしてみました。
なんかこう……竜庵は雷珂以外の仲間ともうまくいっているんだよってことが伝わればそれで^^;
----------------------------------------------------------------------------------
「おはよう……」
眠気の抜けきれないまま、竜庵は屋敷のリビングへと入った。
「おはよう、竜庵。まだ眠そうだね」
「……? ああ、炎馬。……炎馬だけ?」
一足早く起きていた炎馬は、ソファに座ってくすりと笑う。
「そう、俺だけ。残念だったね」
「別に、残念とは思ってないよ」
「それならいいけど。じゃあ、ほら、隣に座って」
竜庵は言われるがまま炎馬の隣に座った。まだ眠い。柔らかいソファに座ったら再び眠りに落ちてしまいそうだ。
気を利かせた屋敷の使用人が、目が覚めるようにと甘い紅茶を持ってきた。
竜庵はそれを受け取って一口飲む。だんだんと頭が冴えてきた。
「雷珂は?」
炎馬は苦笑する。
「覚醒したとたんそれかぁ。やっぱり竜庵は竜庵だね」
「どうしたの、炎馬。意味がよく分からないよ。雷珂は?」
「お仕事に行ったよ。今日は風牙とね」
「ふーん」
竜庵は紅茶を飲み干した。目が覚めるとおなかも空いてきた。使用人に朝食を頼んで、ソファにゆっくりと体を預ける。
「それで、炎馬はここで何をしていたの?」
「俺? この通り」
炎馬は手に持っていた物を竜庵に見せる。
「新聞読んでた」
「何か面白いこと書いてあった?」
「いや、特に何も」
「ファイランの新聞だよね?」
「そうだけど。ファイランやロン・コハクの新聞は優秀だよ。やっぱり世界二大国だよね。他の国のこともよく載ってる」
「後で見せて」
「いいよ、見終わったらあげるよ。竜庵は字を読めたっけ?」
「あまり。勉強のために読むから」
一通り会話が終わり、竜庵はそわそわとし始めた。早く朝食来ないかな、とこの部屋の扉を何度も見る。
それを見て炎馬は声を立てて笑った。
「な……何、急に。新聞にそんな面白いことあったの?」
「違うよ。竜庵、お前――俺のこと苦手だろ」
「―――っ」
図星を刺されて青ざめる竜庵に炎馬は安堵する。雷珂にしか心を開いていなかった頃に比べて、最近の竜庵は表情も態度も分かりやすくなったし、いろいろな表情を見せるようになった。
勿論油断だってする。それは雷珂以外の自分たちにも心を許してくれているのだろうと思う。
「そんなことない!」
竜庵は大声で反論した。
「本当に?」
見据えられ、竜庵はすくむ。力を使ってしまえば自分が優位に立てるかもしれないことは分かっているが、極力敵でもない周りの人間に力を使うのは避けている。
使った方が便利だと思うときは使うけれど、今目の前にいる炎馬という男に、たとえ力を使ったとしても口で勝てるとは思えない。
炎馬は話を続ける。
「憲心様も苦手っぽいなー。竜庵は素直な人間が好きだよな。雷珂とか、月乃とか。それから実は風牙のことも結構気に入ってるだろ?」
「なんで……っ」
「分かりやすい奴が好きなんだ。逆に憲心様みたいに分かりにくい人間は苦手で、俺みたいに自分を見透かすようなことを言う人間も苦手――だろ?」
「そんなことを言うから……!」
「“そんなことを言うから苦手なんだ”、ってね。ほら、やっぱりさっきの言葉は嘘だった」
「炎馬!」
炎馬はにっこりと笑った。本当によく表情が変わる。そのすねたような顔も、初めは見られなかった。警戒心の強い動物に懐かれたような感覚で嬉しい。
「炎馬、なんで笑ってるのっ。僕をからかってるんでしょ!」
「ごめんごめん。ほら、朝食持ってきてくれたよ」
扉が開いて使用人の1人が朝食を運んできた。それを竜庵の前にある木製のテーブルの上に置く。
「い、いただきます……」
気を取り直してご飯を食べ始めた竜庵を、炎馬は和やかな目で見つめていた。
「なんというかもう」
――父親の気分。
珍しいツーショットにしてみました。
なんかこう……竜庵は雷珂以外の仲間ともうまくいっているんだよってことが伝わればそれで^^;
----------------------------------------------------------------------------------
「おはよう……」
眠気の抜けきれないまま、竜庵は屋敷のリビングへと入った。
「おはよう、竜庵。まだ眠そうだね」
「……? ああ、炎馬。……炎馬だけ?」
一足早く起きていた炎馬は、ソファに座ってくすりと笑う。
「そう、俺だけ。残念だったね」
「別に、残念とは思ってないよ」
「それならいいけど。じゃあ、ほら、隣に座って」
竜庵は言われるがまま炎馬の隣に座った。まだ眠い。柔らかいソファに座ったら再び眠りに落ちてしまいそうだ。
気を利かせた屋敷の使用人が、目が覚めるようにと甘い紅茶を持ってきた。
竜庵はそれを受け取って一口飲む。だんだんと頭が冴えてきた。
「雷珂は?」
炎馬は苦笑する。
「覚醒したとたんそれかぁ。やっぱり竜庵は竜庵だね」
「どうしたの、炎馬。意味がよく分からないよ。雷珂は?」
「お仕事に行ったよ。今日は風牙とね」
「ふーん」
竜庵は紅茶を飲み干した。目が覚めるとおなかも空いてきた。使用人に朝食を頼んで、ソファにゆっくりと体を預ける。
「それで、炎馬はここで何をしていたの?」
「俺? この通り」
炎馬は手に持っていた物を竜庵に見せる。
「新聞読んでた」
「何か面白いこと書いてあった?」
「いや、特に何も」
「ファイランの新聞だよね?」
「そうだけど。ファイランやロン・コハクの新聞は優秀だよ。やっぱり世界二大国だよね。他の国のこともよく載ってる」
「後で見せて」
「いいよ、見終わったらあげるよ。竜庵は字を読めたっけ?」
「あまり。勉強のために読むから」
一通り会話が終わり、竜庵はそわそわとし始めた。早く朝食来ないかな、とこの部屋の扉を何度も見る。
それを見て炎馬は声を立てて笑った。
「な……何、急に。新聞にそんな面白いことあったの?」
「違うよ。竜庵、お前――俺のこと苦手だろ」
「―――っ」
図星を刺されて青ざめる竜庵に炎馬は安堵する。雷珂にしか心を開いていなかった頃に比べて、最近の竜庵は表情も態度も分かりやすくなったし、いろいろな表情を見せるようになった。
勿論油断だってする。それは雷珂以外の自分たちにも心を許してくれているのだろうと思う。
「そんなことない!」
竜庵は大声で反論した。
「本当に?」
見据えられ、竜庵はすくむ。力を使ってしまえば自分が優位に立てるかもしれないことは分かっているが、極力敵でもない周りの人間に力を使うのは避けている。
使った方が便利だと思うときは使うけれど、今目の前にいる炎馬という男に、たとえ力を使ったとしても口で勝てるとは思えない。
炎馬は話を続ける。
「憲心様も苦手っぽいなー。竜庵は素直な人間が好きだよな。雷珂とか、月乃とか。それから実は風牙のことも結構気に入ってるだろ?」
「なんで……っ」
「分かりやすい奴が好きなんだ。逆に憲心様みたいに分かりにくい人間は苦手で、俺みたいに自分を見透かすようなことを言う人間も苦手――だろ?」
「そんなことを言うから……!」
「“そんなことを言うから苦手なんだ”、ってね。ほら、やっぱりさっきの言葉は嘘だった」
「炎馬!」
炎馬はにっこりと笑った。本当によく表情が変わる。そのすねたような顔も、初めは見られなかった。警戒心の強い動物に懐かれたような感覚で嬉しい。
「炎馬、なんで笑ってるのっ。僕をからかってるんでしょ!」
「ごめんごめん。ほら、朝食持ってきてくれたよ」
扉が開いて使用人の1人が朝食を運んできた。それを竜庵の前にある木製のテーブルの上に置く。
「い、いただきます……」
気を取り直してご飯を食べ始めた竜庵を、炎馬は和やかな目で見つめていた。
「なんというかもう」
――父親の気分。
PR
カレンダー
カテゴリー
最新記事
最新コメント
ブログ内検索