還空論
HP「SECRET GAME」の付属ブログです。日記や小説。
ただしここでの小説には、あまり計画性がありません; HPの小説の番外編もあります。
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革命軍もひっそりと、首都に迫っていた。
「戦闘が開始されたらしい」
伝令からの報告を受け詩紀が言った。愬は頷いて翏を見る。
「んじゃあこちらも活動開始と行きますか」
「はい、分かりました。節里さん、よろしいですか?」
傍にいた節里は納得のいかない顔ではあるものの、翏に言われ呟く。
「異存は、ありません」
俺は紅雪軍から一時離れた。
そして目の前で軍と軍の激突を見る。これ程激しい戦いを見たのは10年ぶりだ。
あの時は父である灯央率いる帝国軍と叔父である庚率いる反皇帝軍の内戦だった。
「そういえばあの時も、叔父上は先頭切って戦っていた……」
誰もが認める武人。人を引き付けて止まない。あっという間に反皇帝軍側の人数が膨らんで、誰もがクーデターの成功を予感した。
俺でさえもそうだった。
父の指示で翏を連れて逃げだした。父のために戦っている帝国軍の兵士たちの横をすり抜け、逃亡した。
結局は捕まったけれど――。
「って、そんなこと思い出してる場合じゃないよな……」
俺は戦場を見た。
黄土色の甲冑が黄凱軍、紅色の甲冑が紅雪軍だ。分かりやすい。
黄凱軍の先頭、将であるからか一際目立つのが叔父上だろう。あそこまでは無事に行けそうにない。
太鼓の音と笛の音が聞こえる。陣形を変える合図。戦局を見て指示を出す役目――参謀が他にいるのだ。
どこだ?
俺は視線を黄凱軍のずっと後ろに移した。太鼓はない。どこから聞こえる?
安全な場所にいるのだろう。矢の届かない遠くに。
なおかつ戦場の見渡せる場所――。
「見つけた……!」
「各自作戦通りに動けば失敗することはない。紅雪軍が来てくれたおかげで城の警備は手薄だ」
詩紀が言った。聞いていた節里は頷く。
「何度も言わずとも分かっている。貴様ら烟梓の者共がひっそりと城に侵入して突破口を開く。その隙をついて我々が攻めればいいのだろう」
詩紀は微笑んだ。
「お前たちの団体行動に期待しているよ」
「貴様らに高尚な団体行動は無理だろうからな」
「ああ、そうだな。だからよろしく」
嫌味を言っても軽く受け流す詩紀に、節里は心の中で舌打ちした。
「翏、聞いてくれ」
作戦前のわずかな時間、愬は翏を手招きして自分の元に呼び寄せる。その近くには愬の烟梓の仲間である屈強な男が5人揃っていた。
「なんですか?」
「お前はこいつらに守ってもらえ。城には入るなよ、危険だから」
「ですが私はお母様を……」
「皇妃はちゃんと安全に連れてくるようにしている。革命軍の奴らがどうしようと思っているのかは分かんないから、ちゃんと俺たちの仲間が連れに行くようにしている。だからここで待っていろ」
「愬さんは、中に入られるんですよね?」
「そんなん決まってんだろー。俺がこういうとき大人しくしてるわけないって。……って、お前とはまだ会ったばかりか」
翏は笑った。
「分かります」
愬も笑う。
「そう?」
「気を付けて下さいね。……10年前も、いつの間にか皆いなくなっていました」
まだ幼かった頃。
何が起きているのかいまいち理解することのないまま、何かが始まり全てが終わっていた。
「父も、兄も、帰っては来なかった」
「でもあいつはここにいる。死んでなんかいなかった。全てが終わったら、お前たちを絶対に会わせてやるよ」
「はい……!」
「戦闘が開始されたらしい」
伝令からの報告を受け詩紀が言った。愬は頷いて翏を見る。
「んじゃあこちらも活動開始と行きますか」
「はい、分かりました。節里さん、よろしいですか?」
傍にいた節里は納得のいかない顔ではあるものの、翏に言われ呟く。
「異存は、ありません」
俺は紅雪軍から一時離れた。
そして目の前で軍と軍の激突を見る。これ程激しい戦いを見たのは10年ぶりだ。
あの時は父である灯央率いる帝国軍と叔父である庚率いる反皇帝軍の内戦だった。
「そういえばあの時も、叔父上は先頭切って戦っていた……」
誰もが認める武人。人を引き付けて止まない。あっという間に反皇帝軍側の人数が膨らんで、誰もがクーデターの成功を予感した。
俺でさえもそうだった。
父の指示で翏を連れて逃げだした。父のために戦っている帝国軍の兵士たちの横をすり抜け、逃亡した。
結局は捕まったけれど――。
「って、そんなこと思い出してる場合じゃないよな……」
俺は戦場を見た。
黄土色の甲冑が黄凱軍、紅色の甲冑が紅雪軍だ。分かりやすい。
黄凱軍の先頭、将であるからか一際目立つのが叔父上だろう。あそこまでは無事に行けそうにない。
太鼓の音と笛の音が聞こえる。陣形を変える合図。戦局を見て指示を出す役目――参謀が他にいるのだ。
どこだ?
俺は視線を黄凱軍のずっと後ろに移した。太鼓はない。どこから聞こえる?
安全な場所にいるのだろう。矢の届かない遠くに。
なおかつ戦場の見渡せる場所――。
「見つけた……!」
「各自作戦通りに動けば失敗することはない。紅雪軍が来てくれたおかげで城の警備は手薄だ」
詩紀が言った。聞いていた節里は頷く。
「何度も言わずとも分かっている。貴様ら烟梓の者共がひっそりと城に侵入して突破口を開く。その隙をついて我々が攻めればいいのだろう」
詩紀は微笑んだ。
「お前たちの団体行動に期待しているよ」
「貴様らに高尚な団体行動は無理だろうからな」
「ああ、そうだな。だからよろしく」
嫌味を言っても軽く受け流す詩紀に、節里は心の中で舌打ちした。
「翏、聞いてくれ」
作戦前のわずかな時間、愬は翏を手招きして自分の元に呼び寄せる。その近くには愬の烟梓の仲間である屈強な男が5人揃っていた。
「なんですか?」
「お前はこいつらに守ってもらえ。城には入るなよ、危険だから」
「ですが私はお母様を……」
「皇妃はちゃんと安全に連れてくるようにしている。革命軍の奴らがどうしようと思っているのかは分かんないから、ちゃんと俺たちの仲間が連れに行くようにしている。だからここで待っていろ」
「愬さんは、中に入られるんですよね?」
「そんなん決まってんだろー。俺がこういうとき大人しくしてるわけないって。……って、お前とはまだ会ったばかりか」
翏は笑った。
「分かります」
愬も笑う。
「そう?」
「気を付けて下さいね。……10年前も、いつの間にか皆いなくなっていました」
まだ幼かった頃。
何が起きているのかいまいち理解することのないまま、何かが始まり全てが終わっていた。
「父も、兄も、帰っては来なかった」
「でもあいつはここにいる。死んでなんかいなかった。全てが終わったら、お前たちを絶対に会わせてやるよ」
「はい……!」
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